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2023.02.13

こんな便は危険! 放置厳禁

大阪本町胃腸内視鏡クリニック 院長の藤田です。
今回のテーマは「こんな便は危険!」という内容で解説します。 

時々外来に来られた患者さんで「こんな便をずっと放置しておいたの?!」「なんでもっと早く来なかったの?!」という方がおられます。
そのような放置厳禁の「危険な便」について解説します。
このブログを読んでいただくことで、便の異常でどのようなことを医師は考えているのか

その頭の中が分かるようになります。

「普通の便」とは?

通常、便は1~2日に1回 バナナ1~2本分の便が排泄されます。
便も太さもバナナと同じくらい 色もバナナ色が「良い便」の状態です。また臭いもあまり臭くないのが理想です。

 ■放置厳禁の便 その1:黒色便
黒色便は別名「タール便」とも言われます。コールタールのようにネットリと黒い便を意味します。
時々、便秘の人でこげ茶色の便のことを黒色便と間違われてくる方がおられますが、本当の黒色便は、真っ黒です。
これは、食道や胃、十二指腸から出血していることを意味します。例えば胃潰瘍や胃がんから出血した場合、胃酸が血液中の鉄分を酸化させて黒い便が出てきます。
なお大腸からの出血では胃酸の影響はないため、黒い便とはなりません。また、貧血の治療で鉄剤を内服しているときも、同様に黒い便となります。

■放置厳禁の便 その2:赤いゼリー状の血便
つぎは、赤いゼリー状の血便です。これが続く場合は、「慢性の腸炎」を疑います。
通常 便に血が付くことはありません。このゼリー状の出血は「大腸の粘膜からのジワジワとした出血」を示唆します。
痔のような血管の病気からの出血は量が多く液体状になりますますが、腸炎のような粘膜から滲み出るような出血の場合は「ゼリー状」になることがあります。
特に若い人で多い「潰瘍性大腸炎」といわれる原因不明の慢性腸炎で認めることがあります。
他には「赤痢」といわれるアメーバの感染による腸炎でもゼリー状の便が出ることがあります。

 

■放置厳禁の便 その3:細い便
次に注意が必要なのは「細い」便です。通常の便はバナナほどの太さがあります。
それが「急に」細くなって「持続している」時は注意が必要です。それは「大腸癌」によって腸が狭くなっている可能性があるからです。
食べたものや、腸管の動きによって、一時的に便が細くなることは誰でもあります。
しかし大腸癌で狭くなっている場合は、腸が広がることがないため細い便が続くようになります。(大腸癌だからといって、必ずしも便が細くなるわけではありません)

■放置厳禁の便 その4:血が付着する便
排便時に、便の表面に血が混じるのも、大腸がんでしばしばみられる現象です。
特に大腸癌のできやすいS状結腸や直腸にがんがあった場合、便自体は普通の便なのですが、便が癌の部分を通る際に出血し、それが便の表面に付着した状態で出てくることがあります。
腫瘍からの出血は、じわじわとにじむものから、大量に出血するものまであります。
痔の場合の出血は静脈からの出血で「液体状」の血液であることが多く、便の表面にネットリと血が付着していた場合は注意が必要です。

■放置厳禁の便 その5:灰白色便
灰白色便とは、字のごとく「白っぽい」便のことです。
そんな白い便なんて出るの?!と思われる方もおられるかもしれません。この白い便の場合は、胆管がんや膵臓がん、総胆管結石などの病気で起こります。
皆さんは便が「なぜ黄色なのか?」ご存じでしょうか。便の黄色のもとは「胆汁」です。
胆汁は肝臓で作られる消化酵素で、胆のうに貯められ胆管を通って十二指腸に分泌されます。
その胆汁の流れが上記のような病気で妨げられると、十二指腸に胆汁が流れずに便が黄色くなくなり白くなります。
腸に流れるはずの胆汁が流れないと血液に流れ込んで、黄疸(目や皮膚が黄色くなる)や尿に流れると褐色尿(紅茶みたいな色の尿)になることがあります。

このような便を認めた場合は、早めに消化器内科の先生に相談しましょう。
血液検査、大腸カメラ、腹部エコーなどで、肝臓や大腸をしっかり調べて原因を突き止めることが重要です。

大阪本町胃腸内視鏡クリニック

堺筋本町駅前にある内視鏡専門クリニック 2022年オープン森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニックの2号店となります。
鎮静剤麻酔、鎮痛剤を使用した無痛内視鏡(寝ている間に胃カメラ、痛くない大腸カメラ)を行っています。
大腸にポリープがあれば、その場で切除(日帰りポリープ切除術)も行っています。忙しいサラリーマン、主婦の皆さんのために、胃カメラと大腸カメラを同日に行うことも可能です。

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