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2023.05.06

医療ダイエット薬「リベルサス」について解説

  • 大阪本町胃腸内視鏡クリニック 院長の藤田です。
  • 今SNSを中心に、医療ダイエットが流行しています。
  • インスタでもFacebookでも広告がどんどん入ってきます。
  • 最近の医療ダイエットの主役は「内服薬」です。
  • 昔は、脂肪吸引手術などの侵襲的な外科治療や、注射薬が主流でしたが今は内服薬がいろいろあり、内服薬ゆえに始めやすいのが理由です。
  • またインターネットでも、大手の会社がオンライン診療を使って内服薬を「販売」しています。
  • やせ薬とは?

  • 現在ネットではリベルサス、フォシーガ、ルセフィ、カナグル、メトグルコなど様々な内服薬が売られています。
  • これらは全て「糖尿病」のお薬です。保険適応は全て「糖尿病」になります。肥満症に対しては保険が通らないため、自由診療になります。
    そのため各クリニックによって、投与量や費用が異なります。

 

 

 

  • 糖尿病のお薬でなぜ痩せるのか?

  • これを理解するには、糖尿病がそもそもどのような病気なのかを知る必要があります。
  • 糖尿病は「血糖値が高い病気」というのはご存じだけと思います。
  • 血糖値が高いと体中の血管が障害を受けて、網膜症による失明や、腎障害によって透析が必要となったり、神経障害を受けて両足の感覚障害などの合併症を起こすことがあります。
  • 血糖値が高くなると人体はどうするのか?血糖値を下げようとします。(血糖値は80~100で保とうとする)そこで活躍するのが「インスリン」です。
    インスリンによって 余った糖分は、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして貯蔵したり、脂肪として貯蓄します。

ではなぜ糖尿病薬でやせるのでしょうか?
それは余分な糖分を尿として排泄したり、消化管からの糖分の吸収を抑えることで糖分を体から排出することで、太らないようにします。
また胃の蠕動を抑えたり、食欲中枢に働くことで食欲そのものを落とすことで、体重を減らす作用があります。

なおすべての糖尿病薬でやせるわけではありません。例えば、インスリンを使用すると体重が増えます。それはインスリンによって、「余分な血糖を脂肪として蓄える」ように働くからです。

糖尿病薬にはいろいろな種類があり、今回紹介するGLP1作動薬「リベルサス」は体重減少効果が高く 人気となっています。

  • リベルサスとは

  • GLP1受容体作動薬といわれる内服薬で、朝空腹時に1日1粒のむ薬です。

規格は3㎎と7㎎があります。

  • GLP1受容体作動薬とは

GLP1とは食後の血糖値が高くなると小腸のL細胞から分泌されるホルモンで、膵臓のGLP1受容体に作動することで、血糖依存性(血糖値が高いと、より多く分泌)にインスリンを分泌させます。

脳の満腹中枢に働いてすぐに満腹感を感じさせる効果があったり、胃の蠕動を抑えるため食欲をそのものを抑制するため、肥満の方だけでなく非肥満の方でも体重減少効果があります。

 

 

  • リベルサスがなぜ流行っているのか?

    一番は内服薬であることです。これまでもGLP1受容体作動薬はSNSでは話題になっていたのですが これまでは皮下注射しかありませんでした。
    それが202011月に内服薬として収載されました。

    またGLP1受容体作動薬は単独の服用では低血糖を起こしにくいため(血糖依存性に効果があるため、血糖値が低いとインスリンも分泌されにくい)、比較的安全な薬として爆発的に人気が出るようになりました。

    • リベルサスの注意点

      もちろん100%安全な薬というわけではありません。
      まず 飲み方に注意が必要です。リベルサスは胃で吸収されて効果を発揮するため、内服後30分や食事や他の薬の内服もしてはいけません。おすすめは起床してすぐに内服することです。
      そして副作用にも注意が必要です。リベルサスの主な副作用に、吐き気や胃のむかつきがあります。
      特に内服投与初期に認めます。ただし、これらは「薬が効いている」という証拠でもあるため、あまり問題にはなりません。

      そのほか下痢や便秘といった便通異常を認めることがあります。またリスクが少ないとはいえ、やはり低血糖には注意が必要です。
      そのためリベルサスを開始するとしても3㎎の低用量から始めることが大切です。
      それでも効果が少なかった場合は、7㎎、14㎎とゆっくりと増量していきます。(糖尿病に対する維持用量は7㎎)

      • 最後に

      最近 医療ダイエット、メディカルダイエットが流行っています。特にリベルサスが発売されてから特にその人気が高まっています。
      ただ、本来「糖尿病の薬」であり、いくら海外では肥満薬として認められているとしても、骨格も遺伝子も違う日本人で効果がどうなのか、副作用が問題ないのかなど、使用期間が短くなんとも言えません。
      自由診療となりますので患者さん個人が治療を選択することは可能ですが、その分自身でしっかりと理解されること、そして相談できるドクターをもっておくことが重要です。

      医療法人 幸生会

       
      鎮静剤を使った、楽な胃カメラ、痛くない大腸カメラを行っている内視鏡専門クリニック
      2016年森ノ宮胃腸内視鏡クリニック 開業(JR森ノ宮駅前)
      2023年大阪本町胃腸内視鏡クリニック 開業(地下鉄堺筋本町駅前)

      胃がんのリスクであるピロリ菌の検査および治療、大腸がんのある大腸ポリープ切除を積極的に行っています。その他、胃腸の症状に対する診察や投薬も行っています。

      • 森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック:森ノ宮、玉造、京橋からアクセス良好
      • 大阪本町胃腸内視鏡クリニック:堺筋本町、本町、北浜からアクセス良好

      ※診察はネットからの予約がおすすめです。(大阪本町胃腸内視鏡クリニックは完全予約制)

       

       ※大阪本町胃腸内視鏡クリニックでは 20235月より肥満外来も行っています。
      肥満は、糖尿病や高脂血症、高血圧症といった生活習慣病を引き起こすだけでなく、大腸がんや食道がん、肝臓がんや膵臓がんのリスクになることが分かっています。
      血液検査、腹部エコー検査、胃カメラ、大腸カメラで総合的に検査を行います。内科治療も併せて行っています。

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