虚血性腸炎

虚血性腸炎について
動画で分かりやすく解説

虚血性腸炎とは

虚血性腸炎とは大腸を栄養する血管(動脈:おもに下腸間膜動脈)の血流が、何らかの原因で落ちることによって腸に炎症が起こり、腹痛や出血をきたす病気です。
左側腹部から下腹部にかけて痛みを生じることが多く、高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの基礎疾患を持っている人はなりやすい病気です
便秘や大腸カメラの前処置(下剤)でも虚血性腸炎が起こることがあります。
女性に多く認める。(男女比は1:2~3)

虚血性腸炎の原因

動脈硬化による大腸の血流の低下、便秘・食習慣の乱れ・運動不足などに伴う腸管内圧の上昇が重なることを主な原因とします。
また、ストレスもリスク要因になると言われています。

虚血性腸炎の症状

虚血性腸炎の症状【3大症状】 ①血便 ②腹痛 ③下痢

①血便

炎症を起こした粘膜からの出血であり、やや粘調のピンク色~赤黒い出血を認める。(いわゆる切れ痔のような血管からの出血:液体状の鮮血とは異なる)
また軽症の場合は、出血を伴わないこともあります。

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②腹痛

突然発症する、左側腹部から下腹部の痛みが生じます。
炎症によるものであり、持続性の痛みを呈します。

③下痢

炎症によるもので、水様性下痢を認めることがあります。
他にも痛みが強いため、冷汗や、吐き気、嘔吐を認めることがあります。

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虚血性腸炎の検査・診断

虚血性腸炎の検査・診断まずは問診を行い、症状の出方、部位、出血を伴うかなどの情報より虚血性腸炎を疑います。
場合によっては、血液検査を行い、炎症や感染の数字などを調べます。
確定診断は大腸カメラであるが、大腸カメラ自体が腸に負荷をかけて腸炎を増悪するリスクがあるため、虚血性腸炎が疑われるときは通常は検査を行いません。(症状が落ち着いてから検査をすることが多い)

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虚血性腸炎の治療

軽症あれば、腸管安静で経過観察を行う。水分摂取を促し、食事は消化のいい物を摂取してください。(食物繊維は消化しにくいため避ける。また辛い物などの刺激物も避ける)
感染が疑われるときは抗生剤の内服を行います。炎症が強い場合、入院で絶食点滴を行います。通常は1週間程度で治ります。

また再発することがあり(再発率5~10%)、再発予防も重要です。
便秘をさけるため、普段から水分摂取や食物繊維、発酵食品を積極的に摂りましょう。
硬い便が続く場合は、緩下剤(酸化マグネシウムやモビコール)を内服することもあります。

虚血性腸炎の
よくあるご質問

虚血性腸炎が進行するとどうなりますか?

虚血性腸炎は重症度と経過から【一過性型】【狭窄型】【壊疽型】の3つに分類されます。
虚血性腸炎の多くは一過性型でよくなることも多いのですが、炎症がひどいと壊疽型となる事が稀にあり緊急手術が必要となる事があります。

虚血性腸炎の場合に食べてはいけないものはありますか?

腸に負担をかける食事は避けましょう。具体的には消化されない食物繊維は控えましょう。
ほかにも刺激の強い香辛料も避けたほうがいいでしょう。

虚血性腸炎は完治するのでしょうか?

一過性の場合は、ほとんどが自然に回復します。血流が悪くなり炎症を起こすため、血流が改善すれば炎症も改善し、腸炎も治ります。
ただし再発が多いのも特徴であり、普段から便秘を避ける、力んで排便しない、脱水にならないようにするなどの注意が必要です。

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