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2026.01.27

【内視鏡専門医師解説】粘膜下腫瘍とは?胃・食道・十二指腸・大腸の違いと胃カメラで分かること

粘膜下腫瘍(SMT)とは

粘膜下腫瘍(Submucosal Tumor:SMT)とは、消化管の表面粘膜ではなく、その下の層(粘膜下層や筋層)から発生する隆起性病変の総称です。胃・食道・十二指腸など上部消化管で発見されることが多く、健康診断や胃カメラで偶然見つかるケースがほとんどです。

 


胃の粘膜下腫瘍について

胃に多い粘膜下腫瘍の種類

胃の粘膜下腫瘍で代表的なものには以下があります。

  • ⚫︎GIST(消化管間質腫瘍)
    ⚫︎異所性膵(迷入膵)
    ⚫︎平滑筋腫
    ⚫︎脂肪腫
    ⚫︎神経鞘腫

この中で特に重要なのがGISTです。GISTは頻度は高くありませんが、悪性化の可能性があるため、サイズや形状によっては慎重な経過観察や治療が必要です。

GIST(消化管間質腫瘍)について

GIST(Gastrointestinal Stromal Tumor:消化管間質腫瘍)は、消化管の筋層に存在するカハール介在細胞由来の腫瘍です。胃に最も多く、次いで小腸(十二指腸を含む)に発生します。粘膜下腫瘍の中でも悪性化の可能性がある重要な疾患として位置付けられています。

🔳GISTの特徴
・表面粘膜は正常に見えることが多い
・徐々にサイズが増大する
・腫瘍径が大きいほど悪性度が高い傾向

特に2cm以上不整形内部に壊死や出血を伴う場合は注意が必要です。

🔳GISTの治療方針
2cm未満・悪性所見なし:定期的な内視鏡フォロー
2cm以上・悪性所見あり:外科的切除や専門施設への紹介

早期に発見し、適切にフォローすることが極めて重要です。

胃粘膜下腫瘍の症状

多くの場合、症状はありません。ただし、以下のような症状がある場合は注意が必要です。

  • ・胃もたれ・胃の不快感
    ・黒色便(出血)
    ・貧血
    ・上腹部痛

胃カメラで分かるポイント

通常の胃カメラでは、腫瘍の大きさ、表面の性状(潰瘍の有無)、形(なだらか・不整)などを評価します。ただし、粘膜下腫瘍は腫瘍本体が粘膜の下にあり表面は正常粘膜に覆われており、腫瘍の正体を診断する事は困難です。

必要に応じて超音波内視鏡(EUS)を行い、発生層や内部構造を詳しく調べます。

超音波内視鏡(EUS)の役割

通常の胃カメラでは粘膜表面を観察するだけですが、超音波内視鏡は内視鏡の先端に超音波を出す装置が付いており、胃の粘膜深くの状態がわかります。また、超音波で腫瘍を見ながら穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)を行うことも可能です。

機械は特殊であり、超音波内視鏡検査は通常、大きな病院で行われます(クリニックではほとんど行われていません。)


食道の粘膜下腫瘍について

🔳食道に多い粘膜下腫瘍
食道の粘膜下腫瘍で最も多いのは平滑筋腫です。多くは良性で、ゆっくりと成長します。

🔳食道粘膜下腫瘍の症状
・飲み込みにくさ(嚥下障害)
・胸のつかえ感

腫瘍が大きくなると症状が出現しますが、小さいうちは無症状のことがほとんどです。

🔳経過観察でよいケース
・2cm未満
・形が整っている
・サイズ変化がない

このような場合は、定期的な胃カメラでの経過観察が選択されます。


十二指腸の粘膜下腫瘍について

🔳十二指腸に多い病変
・GIST
・神経内分泌腫瘍(NET)
・Brunner腺腫

特にNETはホルモン産生を伴うことがあり、慎重な評価が必要です。

神経内分泌腫瘍(NET)について

NETとは

神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine Tumor:NET)は、ホルモンを分泌する神経内分泌細胞から発生する腫瘍です。十二指腸や胃に発生することがあり、粘膜下腫瘍として発見されます。

NETの特徴

  • ・小さくても転移する可能性がある
    ・表面は比較的平滑
    ・発赤を伴うことがある

特に十二指腸NETは、サイズが小さくても慎重な評価が必要です。

症状について

多くは無症状ですが、ホルモン分泌を伴う場合には、顔のほてり、下痢、動悸などの症状を認めることがあります。

診断と治療

NETが疑われる場合、胃カメラ、病変の詳細観察、必要に応じて専門施設での精査を行います。治療はサイズ・悪性度・転移の有無により、内視鏡治療または外科治療が選択されます。

十二指腸粘膜下腫瘍の注意点

十二指腸は壁が薄く、内視鏡治療や生検が難しい部位です。そのため、専門的な判断が重要になります。


大腸・直腸の粘膜下腫瘍(SMT)とは

大腸・直腸の粘膜下腫瘍(Submucosal Tumor:SMT)とは、腸の表面の粘膜ではなく、その下にある粘膜下層や筋層から発生する隆起性病変の総称です。

大腸ポリープのように見えることもありますが、発生する層や性質が異なり、通常のポリープ切除では対応できないことがある点が重要です。

多くは大腸カメラ検査で偶然発見され、症状がないケースがほとんどです。しかし一部には、慎重な経過観察や治療が必要な腫瘍も含まれます。


大腸・直腸にできる主な粘膜下腫瘍の種類

① 脂肪腫(lipoma)

大腸の粘膜下腫瘍で最も頻度が高い良性腫瘍です。柔らかく、黄色調で、押すとへこむのが特徴です。多くは無症状です。基本的に良性で、経過観察が可能です。症状がある場合やサイズが大きい場合には、内視鏡治療や外科治療を検討します。


② 神経内分泌腫瘍(NET)

直腸に比較的多く見られるのが神経内分泌腫瘍(NET)です。

小さくても転移の可能性がある
ため、大腸・直腸の粘膜下腫瘍の中でも特に注意が必要です。

  • ・直腸NETは健診や大腸カメラで偶然発見されることが多い
    ・表面は平滑で、やや黄色調
    ・小さくても悪性度評価が重要

10mm未満で低悪性度の場合は内視鏡治療が選択されることがありますが、サイズや深達度によっては外科治療が必要になります。


③ GIST(消化管間質腫瘍)

GISTは胃に多い腫瘍ですが、大腸や直腸に発生することもあります

頻度は高くありませんが、悪性化の可能性がある腫瘍として重要です。


④ 平滑筋腫・神経鞘腫

比較的まれですが、以下のような良性腫瘍もあります。多くは無症状で、サイズ変化がなければ経過観察となります。


大腸・直腸の粘膜下腫瘍の症状

多くの粘膜下腫瘍は無症状ですが、以下の症状がある場合は注意が必要です。

☑️血便
☑️腹痛
☑️便が細くなる
☑️便秘・下痢の悪化
☑️貧血

特に直腸病変での血便は痔と誤解されやすいため、自己判断せず大腸カメラ検査が重要です。


粘膜下腫瘍は放置しても大丈夫?

多くは良性ですが、

  • ☑️2cm以上
    ☑️急に大きくなる
    ☑️表面に潰瘍がある

場合は、精密検査や治療を検討します。「様子を見てよい腫瘍」と「放置してはいけない腫瘍」を見極めるために、内視鏡検査は非常に重要です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 粘膜下腫瘍はがんですか? A. 多くは良性ですが、一部に悪性の可能性があるため定期的な評価が必要です。

Q2. 生検で診断できますか? A. 通常の生検では診断が難しく、超音波内視鏡が有用です。

Q3. どのくらいの頻度で検査が必要ですか? A. 大きさや種類によりますが、半年〜1年ごとの胃カメラが一般的です。

Q4. 症状がなくても検査は必要ですか? A. はい。無症状でもサイズ変化を確認することが重要です。

Q5. 胃カメラはつらくないですか? A. 鎮静剤を使用することで、楽に受けていただけます。


胃カメラによる精密検査をご希望の方へ

粘膜下腫瘍は「経過観察で良いもの」と「早めの対応が必要なもの」を見極めることが重要です。当院では、鎮静剤を用いた苦痛の少ない胃カメラ検査を行っています。健診で指摘された方、不安のある方はお気軽にご相談ください。


大腸カメラで分かること・分からないこと

  • 腫瘍の大きさ、表面の性状(潰瘍・出血の有無)、形状(なだらか・不整)、通常のポリープとの違い

大腸カメラだけでは難しい点

  • 発生している層(粘膜下か筋層か)、良性か悪性かの確定診断

そのため、粘膜下腫瘍が疑われる場合には、超音波内視鏡(EUS)や専門施設での精査が重要になります。

大腸カメラ検査をご検討の方へ

大腸・直腸の粘膜下腫瘍は、見た目だけでは判断が難しい病変です。

当院では、鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸カメラ検査を行い、必要に応じて専門施設と連携した診療を行っています。


当法人では「大阪から胃がん、 大腸がんを撲滅する」 と目標に掲げています。

森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック、大阪本町胃腸内視鏡クリニックともに 内視鏡専門クリニックです。 鎮静剤麻酔を使った楽な胃カメラ、鎮痛剤を使った痛くない大腸カメラを行っています。

消化器内視鏡専門医による高精度かつ苦痛の少ない内視鏡検査と診断によって、胃がんや大腸がんの早期発見と予防、撲滅を目指しています。

当法人では ピロリ学会認定医、 内視鏡学会専門医が在籍しています。

【森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック】

2016年に開業し、年間約4000件の内視鏡検査を行っています。JR森ノ宮駅直結、地下鉄森ノ宮駅から徒歩3分 ビエラ森ノ宮3階

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