ブログ

2025.06.12

20代に多い血便の原因4選

 

20代に多い血便の原因4選

20代の血便、放置しないで! 専門医が教える本当の原因と対処法

■20代の血便

20代でも血便が生じることがあります。当院にも いきなり血便が出てびっくりして受診される20代の方も多くいらっしゃいます。

今回は消化器内視鏡専門医の立場から、若い人に多い血便の原因と治療法について解説します。

  • ■血便とは

血便とは便に血が混じっている状態を意味します。 その程度は様々で、ティッシュに血が付く、 便の表面に血がついている、 トイレの水面が真っ赤になる、 ピンク色のゼリーみたいなものがついている、 など認めます。

通常大腸から出血する事はなく、血便があると言う事は何らかの病気を疑います。

■血便で大事なのは、色と粘稠度

診察の際に、血便で知っておきたい大事な情報は2つあります。それは血液の色と、粘稠度です。

①色

出血源が肛門に近ければ近いほど出てくる血液は赤くなります。

例えば肛門粘膜の 出血した場合は、鮮血が認められます。 大腸の中の腫瘍やポリープから出血した場合は、

 肛門から排泄されるまでに時間を要するため赤黒いレンガ色のような出血を認めます。

また診察をしていると時々「 真っ黒い便が出てきた」 と言って受診される方がいます。 真っ黒い便の場合は大腸からの病気ではなく、胃や十二指腸からの出血を疑います。 なぜなら黒い便は、本来赤かった血液が胃酸によって酸化される色だからです。 胃酸は小腸でアルカリの腸液と混ざって中和されるため、大腸には胃酸の影響は出ません。 つまり黒色便が出た場合は、大腸の病気ではなく、胃や十二指腸のからの出血を疑うため胃カメラを行うことになります。

②粘稠度

続いて粘稠度です。 粘稠度は、どのような病気を疑うかに重要な情報となります。

例えば痔のように静脈などの血管から出血した場合は、サラサラとして水面に広がったりティッシュに染み込む血が出ます。

一方腫瘍や炎症で出血する場合は、じわじわとした出血のため大腸粘液と混じってねっとりとした血が出ます。 便の表面にねっとりと違ついたり、水面に広がらずゼリー状の血液を認めることがあります。

ただしこれらの情報は、なかなか伝えるのが難しいと思います。 また患者さんによっても表現の解釈が異なります。出切れば出血をしたときに携帯で画像を残していただき、診察の際に提示してください。

■20代に多い血便の原因 4選

①痔

出血の原因として最も多いのは痔です。痔にはイボ痔(内痔核)と切れ痔(裂肛)があります。

イボ痔は 肛門や直腸の血管が腫れてイボ状のものができる状態です。

排便時に力み癖がある人や立ち仕事などで血行が悪くなると発生しやすくなります。排便時に出血することがあり、出血量は比較的少なくポタポタと血が垂れることがあります。

切れ痔は、 硬い便や下痢などによって肛門の皮膚が切れたり避けたりした状態です。 肛門には神経が走っており傷ができると痛みを感じやすく、 排便時に痛みや出血を伴うことがあります。 出血の程度は様々であり、ティッシュに鮮血が染み込む程度のものから、水面が血液で 真っ赤になることもあります。

治療は、軟膏や便秘薬なので経過を見ることがほとんどです。出血が続く、または 肛門痛がひどい場合には、 肛門外科 に受診し血管そのものを外科的治療をする必要があります。

②潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は20代から30代に多い原因不明の慢性腸炎です。

原因が不明であり 患者数は年々増加しており、現時点で約250,000人の方が潰瘍性大腸炎に罹患していると考えられています。

潰瘍性大腸炎から出血する場合は炎症粘膜からじわじわと血が出るため、粘稠な出血(粘稠便)を認めることがあります。 また出血だけでなく、下痢や腹痛、発熱などの炎症所見を伴うこともあります。 軽症の場合は自覚症状は特になく、便潜血検査で陽性となって大腸内視鏡検査をしてたまたま診断されるケースもあります。

潰瘍性大腸炎は大腸内視鏡検査で診断します。 ただし軽症の場合や、初期の段階では感染性腸炎などと区別することが難しいことも多く、症状の経過を見てこともあります。(潰瘍性大腸炎は基本的には完治しない慢性腸炎であり、感染性胃腸炎は一過性の胃腸炎ですぐに治ります)

治療は、炎症を抑える薬を続ける必要があります。この病気は原因がわかっておらず、現時点では完治する事は難しいと考えられ、 薬を継続的に続けていく必要があります。

③感染性胃腸炎

細菌や原虫等の感染によって朝粘膜に炎症が起こると、粘膜から出血を伴うことがあります。

軽い胃腸炎では通常出血する事はありませんので、出血を伴うと言う事は炎症が強いことを意味します。通常は血便以外に、発熱や腹痛を伴います。

生肉などの摂取歴、海外渡航歴(不衛生な環境)、風俗や不特定多数との性交渉などが 問診で確認します。

検査は血液検査で炎症反応が高くなっていないか調べたり、便の培養検査を行うことがあります。場合によっては大腸内視鏡検査で、腸粘膜の一部を採取し 原虫などがついていないか確認することもあります。

治療は抗生剤などの細菌や原虫を駆除する薬を使います。感染性胃腸炎は一過性のため数日間で改善します。

④ 大腸ポリープ、大腸がん

大腸がんが増えるのは40代からであり、20代で大腸がんが発症する事は稀です。

患者さんは「血便」でネット検索をして大腸がんが心配になって受診されることも多いのですが、 20代で大腸がんが見つかる事はほとんどありません。

ただし家族歴がある場合には注意が必要です。 遺伝性の大腸癌(リンチ症候群や家族性大腸腺腫症)では 若くして大腸がんが発症することがあります。

大腸ポリープは内視鏡的に切除が可能なものが多く、大腸がんは外科的治療が必要であり大きな病院に紹介して検査治療していくことになります。

 

■どういった場合に病院に行くべきか?

20代で排便時に出血があった場合は、痔だと思って経過を見られる患者さんもおられます。また実際に検査をしてみると原因が端だったと言うことが1番多いのですが、 以下のような場合消化器内科を受診することをお勧めします。

✔︎出血を繰り返す場合

  • ✔︎腹痛や発熱を伴う場合

消化器内科に受診した場合、まずは詳細な問診を行い、今の状態で治療が必要か、また治療するならどういった病気を疑って、どのような治療をするか説明があります。また血液検査や便の検査などを行うことがあります。

最終的な診断のために、大腸内視鏡検査が必要になることがあります。

大腸内視鏡検査では、直接大腸の中を観察するため、炎症やポリープ、癌がないか確認します。場合によっては生検組織検査や、培養検査を行うことも可能です。

■最後に

今回は20代に多い血便の原因を解説しました。20代の血便も軽視せずに、症状が続くようだったら早めに消化器内科に相談して原因を明らかにし治療しておきましょう。

 

 

当法人では「大阪から胃がん、 大腸がんを撲滅する」 と目標に掲げています。
森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック、大阪本町胃腸内視鏡クリニックともに、 胃カメラ大腸カメラを専門とする内視鏡クリニックです。 鎮静剤麻酔を使った楽な胃カメラ、大腸カメラを行っています。

消化器内視鏡専門医による高精度かつ苦痛の少ない内視鏡検査を通じて、胃がんや大腸がんの早期発見と予防を目指しています。

胃がんの原因の多くはピロリ菌感染です。大腸がんの原因の多くは大腸ポリープ(腺腫)です。ピロリ菌の除菌治療をすることで胃がんの予防につながります。大腸ポリープを切除することで大腸がんの予防につながります。当法人では ピロリ学会認定、 内視鏡学会専門医が診断と治療に当たっています。

胃もたれ、胸焼け、腹痛、便秘や下痢、血便などの症状は、早期に内視鏡検査を受けることで深刻な病気の予防につながります。特に40歳以上の方には定期的な胃カメラや大腸カメラの受診をお勧めしています。

【森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック】

2016年に開業し、年間約4000件の内視鏡検査を行っています。

JR森ノ宮駅直結、地下鉄森ノ宮駅から徒歩3分 ビエラ森ノ宮3階

鎮静剤麻酔を使った楽な胃カメラ・大腸カメラの予約はコチラ

森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニックホームページ

森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック公式LINE

【大阪本町胃腸内視鏡クリニック】

2022年に開業し、年間4000件の内視鏡検査を行っています。

内視鏡検査や診察は全て完全予約制です。

鎮静剤麻酔を使った楽な胃カメラ・大腸カメラの予約はコチラ:

大阪本町胃腸内視鏡クリニックホームページ

大阪本町胃腸内視鏡クリニック公式LINE

TOPへ戻る
【本院】森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニックご予約・お問い合わせはこちら【本院】森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニックご予約・お問い合わせはこちら 【分院】大阪本町胃腸内視鏡クリニックご予約・お問い合わせはこちら【分院】大阪本町胃腸内視鏡クリニックご予約・お問い合わせはこちら