胃痛・みぞおちの痛み

胃痛、みぞおちの痛み

ストレスで胃がシクシクする、食事をしたら胃がキリキリする、最近ずっと胃が重い…
胃の痛みや心窩部(みぞおち)の痛みは多くの方が経験する症状の1つです。一時的な不調として軽く見られがちですが、背景には様々な消化器疾患が隠れていることがあります。

心窩部とは

心窩部はみぞおちのあたりを差し、肋骨の下からおへその上の範囲を指します。
心窩部には様々な臓器があります。
食道、大腸、十二指腸、胆嚢、膵臓などがあり、他にも心臓などの消化管以外の臓器も位置します。

胃痛・心窩部痛の主な原因

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシは胃痛の8割を占めると言われるくらい、よく認める疾患です。ストレスなどで自律神経が乱れ、痛みや不快感が出ることがあります。
胃の不快感や痛みがあるにもかかわらず、内視鏡等の検査で異常が見つからないのが特徴です。

急性胃炎、慢性胃炎

ストレスや不規則な生活、ピロリ菌感染、薬剤(NSAIDsなど)によって胃粘膜が炎症を起こします。
この中で特に注意が必要なのはピロリ菌感染です。ピロリ菌は 自然に消滅することなく慢性胃炎を引き起こし、慢性胃炎から潰瘍や胃がんが発生することがあります。

急性胃炎を起こす原因として、ロキソニンやバファリンなどの解熱鎮痛剤(NSAIDs)があります。

胃の粘液分泌を減らし、胃酸による炎症が起こることがあります。長期間服用されている方は注

意が必要です。

胃・十二指腸潰瘍

潰瘍は胃の粘膜が深くまで削られている状態で、 内視鏡で診断がつきます。
粘膜が削られていることより、症状は一過性ではなく。数日または数週間続くすることがありま
す。潰瘍から出血した場合、吐血や黒色便(タール便)を認めたり、貧血を伴うことがあります。
潰瘍は比較的中年になってから認めることが多く、食後の痛みとして認めることがあります。十二指腸潰瘍は若い人に多く、空腹時に痛みが出ます。
潰瘍の原因のほとんどがピロリ菌です。潰瘍を認めた場合はピロリ菌検査を行い、陽性であれば
必ず除菌しておきましょう。

胃がん

胃がんは初期にも無症状のことが多く、進行すると心窩部痛や体重減少、食欲低下、吐血などを伴います。
痛みなどの症状だけでは判断が難しく、内視鏡検査が重要です。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃から食道に胃酸や食べ物が逆流して食道に炎症を引き起こす病気です。
心窩部から胸の痛みとして出ることがあり、胃酸が逆流する感じ(呑酸症状)や胸焼けを認めることがあります。
問診だけで診断を下すこともありますが、最終的には胃カメラで食道粘膜を観察することで診断されます。

胆石症、胆嚢炎

胆石が胆嚢や胆管をすることで右季肋部から心窩部にかけて激しい痛みを感じることがあります。
食後(特に油ものを食べた後)に胆嚢が収縮して症状が出やすいのが特徴です。
胆嚢炎に進展すると、痛みだけでなく発熱を伴うことがあります。

膵炎

急性膵炎は、突然の激しい心窩部痛と背中への放散痛が特徴です。
急性膵炎は「お腹のヤケド」と言われるほど強い炎症で、激しい痛みを伴います。アルコールや脂肪の多い食事が引き金になることがあります。
診断は腹部エコー検査で膵臓を観察(膵臓の主題や腹水の存在)、血液検査で炎症反応が高値であることより、急性膵炎と確定します。
ただし膵臓は腹部エコー検査では分かりにくく、また激しい腹痛を伴うことより、大きな病院に緊急入院となることがあります。

心筋梗塞、狭心症

胃痛と誤認とされることがある「非典型的な」心臓の痛みです。
胸痛に加えて、吐き気や冷や汗、息切れなどがある場合は、その可能性が高くなります。
高齢の方、生活習慣病を持っている方、肥満の方は特に注意が必要です。

どんな時に病院に行くべき?

  • 空腹時や夜間に胃の痛みが強くなる
  • 食後に胃が重くなる、痛みがある
  • 胸やけ、酸っぱいものがこみ上げる
  • 吐き気、嘔吐を繰り返す
  • 食欲不振、急激な体重減少
  • 黒色の便、血の混じった嘔吐
  • 背中まで響くような強い痛み

    当院で行う検査と診断

    当院では、胃痛・心窩部痛の原因を正確に特定するために、以下の検査を実施しています。

    胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)

    のど・胸のつかえの検査

    • 食道、胃、十二指腸の粘膜を直接観察し、胃炎や潰瘍、がんの早期発見が可能です。また同時 にピロリ菌の検査を行うことも可能です。
    • 鎮静剤麻酔を使用した苦しくない内視鏡検査を提供しています。

      超音波検査(腹部エコー)

      胆嚢、肝臓、膵臓などの臓器に異常がないか、非侵襲的に(痛みなく)観察できます。

      血液検査、ピロリ菌検査

      感染や炎症、貧血などの有無、ピロリ菌の有無を評価します。

      当院の治療方針

      当院では詳細な問診を行なった上で、 検査結果に応じて以下のような治療を行います。

      1. 機能性ディスペプシア: 食事を中心とした生活習慣の指導、漢方薬、胃薬など症状に合わせた内服治療
      2. 急性胃炎・慢性胃炎: 胃粘膜保護剤、胃酸を抑える薬(PPIやPCAB)、漢方薬、ピロリ菌除菌療法など
      3. 胃・十二指腸潰瘍: 胃酸を抑える薬(PPIやPCAB)、ピロリ菌除菌療法
      4. 胃がん: 大きな病院への紹介(紹介先は特に限定していません)
      5. 胆石症、胆嚢炎: 投薬加療、必要に応じて大きな病院への紹介
      6. 急性膵炎: 大きな病院への紹介

      まとめ

      胃カメラ胃痛や心窩部痛はありふれた症状である一方で、命にかかわる重大な疾患が隠れていることもあります。
      自己判断や市販薬に頼る前に、専門医による正確な診断を受けることが大切です。
      当院では最新の内視鏡機器と専門医の豊富な経験と知識をもとに、患者さんの症状に合わせた最適な検査や治療をご提供しています。
      胃痛やみぞおちの痛みでお悩みの方はぜひお気軽にご相談下さい。

      TOPへ戻る
      診察・検査のWEB予約 診察・検査のWEB予約 電話で問い合わせ 06-6266-7140 電話で問い合わせ 06-6266-7140 LINEから問い合わせ LINEから問い合わせ